消化器がん診療の最前線 適切な診療を行うためのエッセンス 消化器がん診療各論
腹部原発軟部肉腫(GIST含む)
下井 辰徳
1
,
公平 誠
,
米盛 勧
1国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科
キーワード:
腫瘍再発
,
腫瘍進行度
,
腫瘍転移
,
生検
,
軟部組織腫瘍
,
肉腫
,
腹部腫瘍
,
予後
,
アジュバント化学療法
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
Imatinib
Keyword:
Abdominal Neoplasms
,
Imatinib Mesylate
,
Biopsy
,
Neoplasm Metastasis
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Neoplasm Staging
,
Prognosis
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Sarcoma
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
pp.603-607
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015009001
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軟部肉腫とは,軟部組織から発生する悪性腫瘍の総称である.発症頻度は10万人当たり2人と,非常にまれな腫瘍であり,専門家と連携して治療を行うべき腫瘍である.腹部原発軟部肉腫としては消化管や後腹膜発生が多く,肉腫のなかでも予後不良である.腹部原発軟部肉腫の組織型としては,GIST,平滑筋肉腫,脂肪肉腫の発生頻度が多い.GISTは切除可能例では根治的外科切除を行い,切除不能・転移再発例にはimatinibの治療効果が高い.GIST以外の軟部肉腫は,切除可能例では根治的切除を行い,切除不能・転移再発例には病状安定を目的として化学療法を検討する.GIST以外の軟部肉腫に対する化学療法は単剤治療が標準的であり,とくにdoxorubicinを中心とした治療が行われる.国立がん研究センターでは,希少がんセンターを立ち上げ,肉腫に対する診療基盤を整備している.
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