発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140452
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
58歳男.腰痛を主訴とした.10年前に左腹壁発生の骨外性骨肉腫に対し化学療法,放射線療法,摘出術を受けたが,2ヵ月前より腹痛が現れ,腹部膨満感を自覚した.単純CTでは肝臓から下位腰椎レベルの腹腔内に筋肉と同じ輝度を持つ腫瘤(径約14cm)と脂肪と同じ輝度を持つ腫瘤が隣接する像を認めたが,骨形成はみられず,造影像では脂肪性腫瘤以外の病変は内部不規則に描出された.CTにみられた腫瘤はMRI T1強調画像で一部脂肪と等信号を呈し,T2強調脂肪抑制像で抑制され,また,T1Gd造影脂肪抑制像では不規則な造影効果を示した.針生検にて紡錘形細胞の密な増生を認めたが特定な配列はみられず,核はやや腫大,濃染して大小不同と異型性を認めた.各所見を総合して脂肪肉腫,StageIIBと診断し,摘出不可能の判断で保存的に治療したが死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2005