発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007150016
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83歳女。左鼠径部膨隆、便秘症で受診、骨盤CTで左大腿ヘルニアと診断し、脊髄麻酔で左鼠径部切開し、大腿ヘルニア確認後、ヘルニアザック開放、内容物を検索した。術後、意識消失し、酸素飽和度が著しく低下、左下肢軽度腫脹、左右差を認め血圧低下し、深部静脈血栓症による急性肺塞栓症(APE)が疑われ、酸素吸入、気管内挿管後、人工呼吸器管理、循環動態管理とした。心臓超音波検査で右房内血栓はなく、軽度右房、右室負荷所見、左室機能は保たれていた。99mTc-大凝集ヒト血清アルブミンによる肺血流シンチで右肺下葉・左上葉に血流欠損、低下像を認め、右肺下葉、左S3のAPEと診断した。意識は数分で戻り抗凝固療法単独による治療を選択、低用量ヘパリンを持続静注した。自発呼吸管理とし気管チューブ抜管、ベンチュリーマスクで経過観察、食事摂取、ヘパリン中止、ワルファリン内服抗凝固療法を開始、抗血小板薬に切換え順調に経過した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007