外科医必読interventional radiology
Vascular interventional radiology 難治性腹水に対する腹腔-静脈シャント
吉田 寛
1
,
平方 敦史
,
笹島 耕二
,
真々田 裕宏
,
谷合 信彦
,
峯田 章
,
川野 陽一
,
内田 英二
1日本医科大学多摩永山病院 外科
キーワード:
インターベンショナルラジオグラフィー
,
カテーテル法
,
肝細胞癌
,
血液凝固異常
,
消化管出血
,
心不全
,
生活の質
,
破裂-自然
,
腹水症
,
腹腔静脈短絡術
,
敗血症
Keyword:
Catheterization
,
Ascites
,
Blood Coagulation Disorders
,
Heart Failure
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Peritoneovenous Shunt
,
Quality of Life
,
Rupture, Spontaneous
,
Radiography, Interventional
,
Sepsis
pp.829-833
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010289014
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難治性腹水に対する腹腔-静脈シャント、特にDenver Shunt(Cardinal Health社)について述べる。難治性腹水例であれば、癌性腹水であっても生活の質(QOL)改善目的で適応としている。また腹水の細菌培養陽性または白血球数500/μl以上の場合や、高度の出血傾向を認めた場合は適応外としている。手技は左鎖骨下静脈アプローチが挿入が容易であり、カテーテルの屈曲に注意を払うことが重要である。合併症としては凝固異常、敗血症、消化管出血、肝細胞癌破裂、カテーテル閉塞、心不全などがある。全身状態不良例では合併症も多くなるため、全身状態が良好な状況下で早期に決断し施行すると治療成績が改善すると考える。Denver Shuntは合併症を念頭におき、術前にその対策を練っておけば安全に施行できQOLも著明に改善し有用である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010