発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038502
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1995年4月から2005年6月迄に経験した腹腔鏡下胆嚢摘出術600例について治療成績を検討した。平均57.7±14.4歳で、男女比285:315であった。疾患は胆石症506例、急性胆嚢炎94例、胆嚢腺筋腫症84例、胆嚢ポリープ45例、胆嚢癌7例であった。手術時間は症例の増加と共に短縮し、平均93.6±41.0分であり、最近の35例では平均82.0±34.0分であった。7%が開腹術に移行し、その原因として胆嚢炎が20例と最も多く、手術既往による癒着が8例、術中合併症が5例であった。上腹部手術既往は30例にあり、そのうち7例が開腹術に移行した。7例の胆嚢癌のうち、術前に確定診断を行ったのは1例、疑ったのは2例であり、残り4例は術後の病理組織学的検索にて判明した症例であった。術中合併症は10例1.7%に生じ、出血4例、小腸損傷3例、十二指腸穿孔1例、総胆管切開1例、肝損傷1例ずつであった。術後合併症は27例4.5%で、胆汁漏10例、出血3例、総胆管結石3例であった。術後の再手術例は2例のみであった。死亡例は3例で、その原因は肺梗塞、心筋梗塞、心不全であった。腹腔鏡下胆嚢摘出術は合併症を少なくするべく丁寧で慎重な操作が肝要である。
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