臨床と研究
急性胆嚢炎に対する早期腹腔鏡下胆嚢摘出術の有用性についての検討
東海林 安人
1
,
仙丸 直人
,
市村 龍之助
,
佐藤 彰記
,
宮坂 衛
1製鉄記念室蘭病院 外科
キーワード:
医療費
,
開腹術
,
術後合併症
,
入院期間
,
分散分析
,
後向き研究
,
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
治療成績
,
胆嚢炎-急性
,
開放手術への変更
,
患者重症度
Keyword:
Analysis of Variance
,
Health Expenditures
,
Laparotomy
,
Length of Stay
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Cholecystectomy, Laparoscopic
,
Treatment Outcome
,
Cholecystitis, Acute
,
Patient Acuity
,
Conversion to Open Surgery
pp.627-632
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016351577
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急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)を施行した174例を対象に、これらを発症から4日以内に手術を行った早期群(68例)、5~41日以内に手術を行った待機A群(64例)、42日以降に手術を行った待機B群(42例)に分け比較検討した。その結果、1)早期群ではLC完遂率は94.1%、開腹移行率は5.9%で、待機B群とほぼ同等の成績であった。一方。待機A群では開腹移行率がやや高いものの、各群間で統計学的な有意差はみられなかった。2)平均手術時間は各群、約2時間で、出血量や術後合併症は各群、ほぼ同程度であった。3)全入院期間は早期群で平均7.1日と、待機A群、B群と比べて有意に入院期間の短縮がみられた。4)2013年以降の症例について入院費用を比較すると、早期群では71万円と、待機A群161万円、待機B群143万円の半分以下であり、有意に低かった。
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