十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略
乳頭部腫瘍の長期成績と予後因子 乳頭部癌の進展様式と術式の選択
田端 正己
1
,
伊佐地 秀司
1三重大学 肝胆膵外科
キーワード:
十二指腸腫瘍
,
腫瘍進行度
,
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
胆膵管膨大部
,
予後
,
生存分析
,
治療成績
,
幽門輪温存膵十二指腸切除
Keyword:
Duodenal Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasm Staging
,
Prognosis
,
Ampulla of Vater
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
pp.1179-1186
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038498
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十二指腸乳頭部癌切除116例の病理組織学的進展様式を解析し、術式の選択について検討した。リンパ節転移は45例(39%)に認められ、pDu0αでは全例n0であったが、pDu0βでは15%が陽性で、さらにpDu,pPancがすすむにつれて転移率は上昇したが、pPanc1までの膵軽度浸潤例は全例pN1以浅にとどまっていた。すなわち、乳頭部癌では幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)が標準手術と位置づけられるが、pPanc1までの膵軽度浸潤例ではリンパ節転移は第1群までに限局しており、膵頭切除兼十二指腸第2部切除(PHRSPD)でも根治性は損なわれないものと考えられた。一方、pPanc2以上の膵高度浸潤例やpN2以上のリンパ節転移例の予後は不良であり、後腹膜やNo.14リンパ節ならびに膵頭神経叢の徹底郭清を付加すべきである。
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