十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略
内視鏡的乳頭切除術 十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術の適応と成績
伊藤 彰浩
1
,
廣岡 芳樹
,
川嶋 啓揮
,
原 和生
,
内田 博起
,
野々垣 浩二
,
春日井 俊史
,
大野 栄三郎
,
大宮 直木
,
丹羽 康正
,
後藤 秀実
1名古屋大学 大学院消化器内科学
キーワード:
十二指腸腫瘍
,
術後合併症
,
膵炎
,
胆管炎
,
胆膵管膨大部
,
治療成績
,
内視鏡的括約筋切開術
,
管腔内超音波診断
Keyword:
Cholangitis
,
Duodenal Neoplasms
,
Pancreatitis
,
Postoperative Complications
,
Ampulla of Vater
,
Sphincterotomy, Endoscopic
,
Treatment Outcome
pp.1137-1143
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038491
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筆者らは、基本的に胆膵管内進展を伴わない腺腫または早期癌を適応として78例に内視鏡的十二指腸乳頭切除術を施行した。おもな早期合併症は、出血26.9%、膵炎7.7%、胆管炎3.8%で、後期合併症は、胆管炎3.9%、総胆管結石2.6%と、重篤な合併症は認めなかった。腫瘍性病変74例中50例(67.6%)で完全切除しえ、完全切除不能例(術前に胆膵管内進展陽性と診断)を除く実質の完全切除率は83.3%(50/60)であった。内視鏡的乳頭切除術は安全な治療法であり、手技の工夫によりさらに治療成績は向上する。
©Nankodo Co., Ltd., 2006