特集 明日の診療に役立つ 消化器内視鏡これ1冊
胆膵 内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)と内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
菅野 良秀
1
,
野田 裕
,
伊藤 啓
1仙台市医療センター仙台オープン病院 消化管・肝胆膵内科
キーワード:
膵炎
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
胆膵管膨大部
,
胆道腫瘍
,
腸穿孔
,
出血-術後
,
内視鏡的乳頭括約筋切開術
,
リスクマネジメント
,
内視鏡的乳頭バルーン拡張術
,
胆石
,
胆嚢炎-急性
,
発癌
,
結石摘出術
,
ワイヤー
Keyword:
Biliary Tract Neoplasms
,
Ampulla of Vater
,
Risk Management
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Sphincterotomy, Endoscopic
,
Postoperative Hemorrhage
,
Pancreatitis
,
Intestinal Perforation
,
Carcinogenesis
,
Cholecystitis, Acute
,
Gallstones
pp.272-279
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022140998
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1.内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)は、胆管開口部を開大させるために十二指腸主乳頭の口側隆起を縦に通電切開する手法である。2.内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)は、胆管開口部を開大させるために十二指腸乳頭をバルーンで拡張する手法である。特に、10mmを超える径で拡張する場合を、内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術(EPLBD)という。3.ESTよりEPBDで急性膵炎発症率が多いため、乳頭処置の標準手技はESTとされる。しかしEPBDのほうが出血のリスクが低く乳頭機能温存効果が高いため、出血傾向、若年、胆道感染の高リスク状態などではEPBDを検討する。4.EPLBDの急性膵炎発症率がESTと同等であるので、十分に大きな開口を得て短時間に治療を終えることが膵炎回避に重要な要因と考えられる。
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