消化管憩室の最近の話題
メッケル憩室の診断と治療
藤居 勇貴
1
,
嘉陽 宗史
1北海道大学 大学院医学研究科消化器外科学分野I
キーワード:
Meckel憩室
,
憩室炎
,
消化管出血
,
腸閉塞
,
放射性核種イメージング
,
小腸切除
,
無症候性疾患
Keyword:
Diverticulitis
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Intestinal Obstruction
,
Meckel Diverticulum
,
Radionuclide Imaging
,
Asymptomatic Diseases
pp.411-416
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016223466
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メッケル憩室は卵黄管の閉鎖不全に起因する,もっとも多い小腸の先天性奇形であり,出血,腸閉塞,憩室炎などの合併症をきたすことが知られている.診断には腹部CT・エコー検査や99mTc(テクネシウム)シンチグラフィーが有用であるが,本疾患を念頭におかないと容易に誤診されうる.有症状性メッケル憩室は手術療法が第一選択となるが,無症状性メッケル憩室を切除するかは結論が出ていない.男性,若年,長い憩室長,異所性粘膜の存在やバンド形成が有症状性のリスク因子とされており,そのようなリスクがある場合は切除することも考慮すべきである.
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