発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006136478
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生命にかかわる可能性の低い甲状腺低危険度乳頭癌に対し,欧米では甲状腺全摘,放射性ヨードによるablation,甲状腺刺激ホルモン(TSH)抑制療法が広くすすめられている.われわれは独自の癌死危険度分類により低危険度群に分類された498例中457例(91%)に甲状腺温存手術を行ったが,残存甲状腺再発,後発遠隔転移はそれぞれ1.6%,1.3%で,甲状腺切除範囲による生存率の差は認めなかった.また,TSH抑制療法の効果についてのRCTでは,平均3.9年の観察期間ではあるが,施行群と非施行群とのあいだで有意な再発率の差は認めず,低危険度乳頭癌に対しては,補助療法なしの甲状腺温存切除で十分であると考えている
©Nankodo Co., Ltd., 2006