発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006063269
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38歳女.下血を主訴とした.注腸造影像および大腸内視鏡像で,Rbを中心に左側壁に径約3cmの2'型直腸癌を認めた.直腸指診では腫瘍の肛門縁からの距離は約5cmであった.初診後7日に反転法を用いた腹腔鏡下低位前方切除術を施行,直腸を反転し病変を直視下に確認,洗浄の後に腫瘍肛側端を2cmとりTA45で直腸を切離した.手術時間は2時間45分,出血量は50mlであった.術後は当院での腹腔鏡下大腸切除のクリニカルパスを適用し,抗生物質はcefmetazole sodiumを術中1g投与したのみで,ドレーンも第2病日に抜去した.術後経過は非常に良好で,術翌日より水分,2日目より流動食,3日目より全粥を摂取し,第7病日に退院となった.また自律神経障害は全く認められなかった.本法は直腸肛門側断端が直視下に決定でき,腸管の洗浄も容易なこと,開腹創が最小限ですむことなどから,非常に有用な術式であると思われた
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