発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005156409
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33歳女性.患者は10年前頃よりの右乳房腫瘤が増大したため受診となった.所見では,右乳房AB領域に6×6cmの境界明瞭,表面平滑,可動性良好な弾性軟の腫瘤が触知され,超音波では52.5×17.5mmの辺縁整な楕円形腫瘤を認め,内部は周囲脂肪組織と同一エコー輝度であり,一部不均一に高輝度エコー像が混在していた.一方,マンモグラフィでは境界明瞭で内部に島状の不均一な高濃度領域を伴う楕円形の低濃度な腫瘤が確認されるも,穿刺吸引細胞診では細胞成分は認められず診断不能であった.そこで超音波ガイド下マンモトーム生検,病理診断を行なったところ,成熟脂肪細胞からなる脂肪組織内に島状に乳腺組織が認められ,adenolipomaと診断された.尚,治療は患者希望で腫瘤摘出術が行なわれず,外来にて経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005