発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014312040
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60歳代男。脊柱管狭窄症で歩行困難であったが、椅子から転倒し右大腿部の腫脹・疼痛を認め、筋肉内遷延性出血の診断で緊急入院した。慢性糸球体腎炎を原疾患に38年前に血液透析(HD)を導入した。心房細動心臓弁膜症で抗凝固薬(ワルファリン)を内服していたが、転倒後に透析施設で抗凝固薬を中止した。大腿部に対しては緊急に経皮的塞栓術を施行し、改善傾向となった。閉塞後3週間は経過しているものの他のアクセスの作製維持が困難と考えられたため、同シャントのVAIVTを試みた。施行後1週間頃からシャント肢の腫脹が出現した。血流は良好であるもののシャント肢は腫脹、右前胸部の体表血管は怒張しており典型的な中心静脈狭窄症に伴う静脈高血圧症と診断した。自己拡張型ステントを挿入した。施行後翌日にはシャント肢の腫脹は改善した。
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