発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008148992
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71歳女。3年前頃から自覚された徐々に増大する右乳房腫瘤、および皮膚の色調の変化を主訴とした。マンモグラフィ所見にて辺縁の比較的明瞭な巨大なmassを認め、超音波所見で内側は充実性、外側は嚢胞性パターンを示していた。CT所見では13.5×8.5cm大の辺縁明瞭なmassで、内側はsolid、外側はfluid collectionが認められた。Core needle biopsyの結果、Invasive ductal carcinome; papillotubular、nuclear grade 1、HER2(0)、ER/PgR強陽性であった。B型肝炎ウイルスのキャリアーで、重度の糖尿病を合併していることが判明し、糖尿病の治療を行いながら、T4bN0-1M0、Stage IIIBの進行乳癌に対しanastrozoleによるprimary systemic therapy(PST)を施行した。糖尿病の良好なコントロールのもと、PST開始から6ヵ月目のCT所見で腫瘍は7.4×3.9cmまで縮小し、面積比で75%の縮小率であった。PST開始から7ヵ月目に手術(右Bt+Ax:レベルII、全層植皮術)を施行し、病理所見にてanastrozoleによる治療効果はgrade 2であった。術後もanastrozole内服を継続し、2年4ヵ月経過現在、再発徴候なく健存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008