発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002087309
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64歳男.胆石症の為腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢を肝床面から剥離する際に,胆嚢壁を損傷し,腹腔内に胆汁の流出と胆石の落下が認められた.術前の腹部超音波検査では少なくとも胆嚢内に4個以上の結石を認めていたが,摘出した胆嚢内には結石は3個であった.術直後より38℃台の発熱が継続した為腹部超音波検査を行うと,肝下面に液体の貯留を認め,抗生剤の点滴を継続した.次第に解熱した為退院した.右上腹部痛と38℃台の発熱が出現し,右横隔膜下に腹腔内膿瘍を認めた.抗生剤の点滴を開始したが軽快しない為再入院した.腹腔鏡下胆嚢摘出術時に落下した胆石により肝右葉上縁と肝右葉背側面の2ヶ所に腹腔内膿瘍を形成していると診断し,開腹ドレナージ術を施行した.術後経過は順調で,術後17日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2001