発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012214246
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27歳女。腹部CTで辺縁石灰化を伴い、造影で核壁様の軟部陰影を伴う5cm大の腫瘤を認め、MRIではT1強調画像で内部不均一な低信号、T2強調画像で隔壁構造を伴い内部の信号強度が異なる高信号を示す多房性嚢胞性腫瘤で、辺縁に被膜を疑う低信号域を認めた。PET-CTで腫瘤はFDG集積を呈し、早期相より後期相で集積増加を認め悪性が示唆された。膵solid pseudopapillary tumorの診断で膵体尾部切除、D2廓清を施行し、切除標本で腫瘍割面は嚢胞性部分と充実性部分をみる灰白色ないし褐色調の境界明瞭な所見で、病理組織学的には線維性被膜を有し、変性による偽乳頭状増殖を認めた。以上より、solid pseudopapillary neoplasm、borderline malignancyと診断された。術後経過は良好で、9ヵ月経過の現在、転移・再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012