発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004089444
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78歳男.胃癌で胃切除,Billroth II法再建を施行された.糖尿病,狭心症,前立腺肥大,両側鼠径ヘルニアにて根治術の既往がある.Rb直腸癌に対して腹会陰式直腸切断術を施行し,左下腹部に人工肛門を造設した.病理所見は高分化型腺癌で治癒切除であった.今回,外来通院中の検査で便潜血が陽性となり,注腸,大腸内視鏡を施行した.下行結腸に2型の癌腫が認められた.下行結腸切除,人工肛門切除を行い,左下腹部に人工肛門を再造設した.術後に腎不全とイレウスを発症し長期入院となった.術後2ヵ月目ころより人工肛門周囲に腫瘍が発生し,次第に増大したため,大腸癌の人工肛門周囲再発と判断し,切除手術を行った.全身状態不良であり,局所麻酔下に手術を行った.術後,頸椎化膿性脊椎炎を発症し,掻肥と骨移植手術を施行した.人工肛門周囲に再度,腫瘍を認め,人工肛門切除,再造設術を施行した.術後,全身状態不良のため長期入院となり,術後9ヵ月目に肺炎のため死亡した
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