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症例をどうみるか 咽頭喉頭摘出食道抜去、非開胸後縦隔胃管再建後に遅発性胃管壊死を生じた症例
鴨志田 梨沙
1
,
波多野 孝
,
佐野 大佑
,
折舘 伸彦
1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
胃疾患
,
咽頭切除
,
壊死
,
下咽頭腫瘍
,
空腸
,
喉頭切除
,
術後合併症
,
腫瘍-多発性原発
,
食道形成術
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
扁平上皮癌
,
食道胃吻合術
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Jejunum
,
Stomach Diseases
,
Hypopharyngeal Neoplasms
,
Necrosis
,
Esophagectomy
,
Esophagoplasty
,
Laryngectomy
,
Pharyngectomy
,
Postoperative Complications
,
Esophageal Neoplasms
,
Neoplasms, Multiple Primary
pp.637-640
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019247390
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症例は72歳男性で、1ヵ月前からの嚥下困難を認め近医を受診した。下咽頭に腫瘍性病変を認め、生検で扁平上皮癌と診断、重複癌検索目的で施行した上部消化管内視鏡検査で切歯より18~25cmの部位に3型食道癌を認めたため当院紹介となった。咽頭喉頭摘出食道抜去、非開胸後縦隔胃管再建、両側頸部郭清術、腸瘻造設術を施行した。術後2日目に淡血性の口腔出血を認めた。喉頭ファイバーでは縫合部を含め、活動性出血を認めず、挙上胃管はややうっ血気味であったが組織壊死を積極的に疑う所見は認めなかった。しかし、術後28日目より永久気管孔近傍に瘻孔形成を認め、喉頭ファイバーでは挙上胃管の組織壊死を疑う白色調の色調変化を認めた。再建胃管の壊死と判断し、遊離空腸による再建術を施行した。再手術後の経過は良好であり、下咽頭造影でリークを認めず、初回手術後77日後、経口摂取可能な状態で退院となった。
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