発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207570
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進行胆嚢癌切除例のうちPDやNo.16を含む拡大リンパ節郭清を施行した51例を対象に,リンパ節転移経路および郭清範囲について検討した.深達度別のリンパ節転移状況は,ssでは21例中6例(29%)にリンパ節転移がみられたが,いずれもn2以下にとどまった.se,siでは30例中24例(80%)にリンパ節転移を認め,しかもn3,n4と広範囲に転移のみられた症例が多かった.リンパ節転移程度別の5年生存率は,n0で66%,n1で62%,n2で29%,n3で10%,n4では0%と,転移が広がるにつれ予後不良であった.リンパ節転移部位は,No.12bcへの転移が26例(52%)と最も多く,次いでNo.13aが13例(26%),No.12apが11例(22%),No.8とNo.16が各9例(18%)であった.転移陽性例のうち87%がNo.12bcに転移陽性を示した.リンパ節転移状況と郭清範囲の検討から,過剰郭清であった症例が散見され,key node(No.13a,8)の存在が明らかになり,郭清範囲を縮小しうる症例を拾い上げ,過不足ない郭清を目指すべきと考えられた
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