発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163843
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生体肝移植ドナー手術89例を対象に超音波ドプラ法を用いて切離肝静脈灌流領域における血行動態を観察し,右肝グラフトにおける中肝静脈再建の適応について検討した.その結果,術中超音波ドプラ法にて肝内吻合枝を同定し得た症例(灌流群)は14例で,残る75例(非灌流群)では切離肝静脈内に血流はなく,その領域の門脈枝は逆流していた.非灌流群では肝動脈一時遮断により肝表に著明な色調変化をきたし,組織酸素飽和度は25%まで低下がみられた.その血流動態異常は57%の症例で術後7病日後もみられた.以上より非灌流群で示された術中所見や変色領域から算出した残肝容積が十分でない場合は,中肝静脈再建の必要があると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2003