発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005268576
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イレウスは腹部救急疾患の中ではもっとも頻繁に遭遇する疾患である.イレウスの治療にあたって,外科的治療が早急に必要な絞扼性イレウスの診断と単純性イレウスにおける手術に踏み切るタイミングが重要である.外科的治療が必要な絞扼性イレウスは,身体所見や検査所見のみで手術適応を決めるのは困難で,患者の経時的な診察や超音波検査を行うことが大切である.当教室では絞扼性イレウスの診断を目的とした判別式を作成しこれを利用しているが,治療方針決定において有用である.単純性イレウスはイレウス管を挿入し腸管内の減圧を行い,イレウス管からの小腸造影像の閉塞・狭窄所見に基づいてその後の治療方針を決定している.イレウス管による減圧を4日間行い,排ガスがみられずにイレウス管からの排液が1日500ml以上の症例や臨床症状の増悪する症例を手術適応として良好な成績を得ている
©Nankodo Co., Ltd., 2005