発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002246669
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70歳男.右肺切除,左腎摘出,胃亜全摘,等の既往がある.follow up studyで腹部CTを施行したところ,胃底部に径2cm大の低吸収域を認めた.生検ではGroup-IIで,EUSでは,第4層から発生し胃内に主として発育し,胃外にも発育する混合型で内部エコーは不均一で平滑筋肉腫を疑わせる所見であった.本人の希望で一旦退院し3回/週の透析で全身状態が安定した後,手術を施行した.生化学検査,腫瘍マーカも正常範囲であり,残胃の平滑筋肉腫と診断した.残胃全摘術を施行し,再建は小腸パウチを用いてRoux-en-Yにて行った.病理組織標本で核は長楕円形で,紡錘形細胞の密なさく状の増殖がみられ,平滑筋肉腫と診断された.術後順調に回復していたが,3週目に気管支喘息による呼吸困難を呈し,ICU管理となったが,徐々に回復し一般病棟に移り小康状態を得た.しかし,腹腔内腫瘍の形成は認められいものの全身状態が悪化し,7ヵ月目に呼吸不全にて死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2002