発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014230547
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74歳男。直腸癌に対し開腹低位前方切除術を施行し無再発経過観察中であった。腹痛発作を繰り返し、膵酵素の上昇と胆嚢結石を認めた。胆石落石による膵炎と診断した。上部消化管内視鏡では、噴門部近傍に軽度の胃静脈瘤を認めた。逆行性胆管造影では、総胆管結石を認めず、胆管の合流異常を認めなかった。胆管壁は平滑・整で、壁外牲の圧迫所見を認めなかった。腹部超音波では、総胆管周囲の血管拡張と胆嚢内結石を認めた。腹部造影CTでは、胃大網静脈と総胆管周囲の血管拡張を認めた。肝外門脈と脾静脈は造影されず、膵内アーケードを介した求肝性の側副血行路の発達と脾腫を認めた。肝外門脈閉塞症に合併した胆嚢結石症に対し、腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。術後合併症なく術後第5病日に軽快退院した。
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