発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001162905
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症例は72歳で暗赤色の下血と眩暈を主訴とした.血液検査では汎血球減少を認め,上部消化管・下部消化管内視鏡検査,小腸造影検査にて出血源不明であったため,99mTc-HSAを使用した出血シンチグラム検査を施行した.静注5分後に回盲部付近に異常集積像を認め,50分後には上行結腸に移動した.60分後には異常集積像は上行結腸のほぼ全体に広がり,150分後には横行結腸に移動した.腹部血管造影では,上腸間膜動脈よりの造影にて,右結腸動脈の分岐に異常小動脈の集簇,毛細管の濃染,拡張した流出静脈が認められた.回盲部の動静脈奇形からの出血と診断し,回盲部切除術を施行した.切除標本の血管造影では,術前の血管造影で見られた血管集塊像が確認された.病理組織学的には,粘膜下層に血管の異常な拡張を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2001