発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107245
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75歳男。発熱を主訴とした。弓部下行大動脈瘤に対する人工血管置換術後にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による人工血管感染をきたし、低心機能と置換範囲から根治術は不可能と判断してvancomycinの点滴治療を1年以上継続していたが、今回、発熱にて入院した。炎症反応は上昇し、血液培養検査でvancomycin-intermediate Staphylococcus aureusを認めたため、linezolid(LZD)の点滴を開始したところ、炎症反応は改善したが、霧視と下痢、PLTの減少とWBCの低下を認めた。LZDの副作用を最小限に抑え、かつ感染をコントロールするため、約1週間ごとの間欠的な内服に切り替えた結果、副作用を起こさずに感染をコントロールできた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010