発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017338843
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77歳男。2年前より胸腺腫を伴わない全身型重症筋無力症(MG)のため通院加療中であったが、15年来の胸部大動脈瘤の瘤径拡大のため手術目的で入院した。胸骨正中切開にて拡大胸腺摘除術後、体外循環を確立して脳分離灌流下に全弓部大動脈人工血管置換術+elephant trunk挿入術を施行した。MGによる末梢神経障害や手術による合併症は認めず、術後36日目に独歩退院した。病理組織学的には動脈硬化の所見であり、摘除した胸腺組織には胸腺腫を認めなかった。抗アセチルコリンレセプター抗体値は術前2.7nmol/lから術後0.7nmol/lへ低下し、術後4年経過して抗体価の上昇やMG症状の再発は認めていない。プレドニン内服は12.5mg/日から5mg/日まで減量している。
©Nankodo Co., Ltd., 2017