診療controversy medical decision makingのために 全身型重症筋無力症に胸腺摘除術は有効か
有効である
好永 順二
1
1よしなが神経内科クリニック
キーワード:
Steroids
,
胸腺腫
,
胸腺摘出術
,
重症筋無力症
,
自己抗体
,
死亡率
,
Cholinergic Receptors
,
免疫抑制剤
,
寛解導入
,
治療成績
Keyword:
Autoantibodies
,
Immunosuppressive Agents
,
Mortality
,
Myasthenia Gravis
,
Receptors, Cholinergic
,
Steroids
,
Remission Induction
,
Thymectomy
,
Thymoma
,
Treatment Outcome
pp.895-901
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011189967
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)は、神経筋接合部の運動終板膜に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体である、抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)により神経筋伝達が障害される自己免疫疾患である。最近、抗AChR抗体陰性患者の一部で、muscle specific tyrosine kinase(MuSK)に対する自己抗体である抗MuSK抗体が発見された。MG患者に対する胸腺摘除術(胸摘)の意義は、抗AChR抗体産生と密接に関係する胸腺組織を除去することである。全身型MGに対する胸摘は寛解率、改善率とも高く、第一選択とすべき治療法である。胸摘単独治療でも寛解にいたり、術後抗AChR抗体価が下降する場合は寛解にいたる可能性がきわめて高い。術式は安全性と確実性で高く評価されている、Masaokaらが提唱した胸骨縦切開による拡大胸摘が推奨される。
©Nankodo Co., Ltd., 2011