発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071383
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75歳女。患者は上肢挙上困難を主訴とした。重症筋無力症(MGFA分類class IVa、Osserman分類IIB型)と診断され、内服治療が行なわれていたが症状は改善しなかった。今回、抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)が高値であったため、手術目的で著者らの施設へ紹介となった。所見では重症筋無力症-日常生活動作(MG-ADL)スケールは9点で、胸腺腫は認めたられなかった。また、初診1週間後に入院となったが、会話の不明瞭化、誤嚥が認められ、MG-ADLスケールが12点に悪化していた。急激な球症状の悪化を認めたため単純血漿交換を計画し、新鮮凍結血漿30単位/回の血漿交換を計4回施行した。その結果、症状は著明に改善し、MG-ADLスケールは10点となった。以後、胸骨正中切開で拡大胸腺摘出術が施行されたが、摘出胸腺はほとんどが脂肪組織におきかわり退縮していた。尚、術後合併症はなく、MG-ADLスケールは9点となり、抗AChR抗体価も低下した。
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