発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003852
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51歳男。水様性下痢、発熱、右季肋部痛が出現し、肝機能障害、炎症所見があった。CTで肝右葉に巨大膿瘍を認め、metronidazole投与を開始し入院した。造影CTで肝右葉に門脈右・左枝に血栓を伴う膿瘍を認めた。肝膿瘍穿刺排膿の膿汁は灰色膿でceftriaxone投与を開始した。膿汁・血液培養でα-stretococcusが検出され、piperacillinに変更した。門脈血栓にはheparin投与後warfarin内服に移行した。炎症反応は改善し、肝膿瘍、門脈血栓の縮小も認め退院した。しかし乾性咳・発熱が出現し、CTで右膿胸を認め再入院となった。胸腔ドレナージを行い、膿汁は灰色膿で、metropenem投与を開始した。膿・血液培養でα-steptococcusが検出されたが嫌気性菌は検出されなかった。胸腔ドレナージチューブを抜去し炎症所見も正常化して退院した。肝膿瘍はさらに縮小して膿胸の再発もなかった。α-streptococcusが起炎菌であると診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010