腹痛を診る-非専門医に求められる初期診療 各種検査の適応と意義
腹部単純X線 透視力による臨床推論
西野 徳之
1
,
濱田 晃市
,
福島 大造
,
大友 泰裕
,
高畑 陽介
,
堀川 宣範
1総合南東北病院 消化器センター
キーワード:
S状結腸腫瘍
,
奇形腫
,
下痢
,
充血
,
心不全
,
脊椎腫瘍
,
仙椎
,
腸閉塞
,
腹痛
,
腹部X線診断
,
便秘
,
腸閉塞-偽性
,
腎機能障害
,
うっ血肝
Keyword:
Constipation
,
Diarrhea
,
Heart Failure
,
Hyperemia
,
Intestinal Pseudo-Obstruction
,
Intestinal Obstruction
,
Radiography, Abdominal
,
Spinal Neoplasms
,
Sacrum
,
Sigmoid Neoplasms
,
Teratoma
,
Abdominal Pain
,
Renal Insufficiency
pp.707-713
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016410189
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腹部単純X線(腹部X線)は,腹痛を訴える患者の初期診療において,妊娠初期などの禁忌を除いては必ず撮影しておくべき検査である.それは採血,検尿・沈渣,超音波検査と並んでセットで行うと考えてもよい.腹部X線の撮影は診察のイメージと合わせるために基本的に臥位で撮影する.その理由は,立位ではガスは上方へ,充実臓器は下方へ偏移してしまうからである.決してniveauやfree airを評価するためではない.X線画像は透視像であるということを意識して読影すべきである.所見でgasless abdomenをみたら,必ずCTを撮影すべきである.加えて,便の貯留やガスの停滞および偏移がないかを確認する.腹痛の場所は「点」ではなく「面」で考えるのがよい.画像所見の読影は,所見が腹痛の原因と見合うか,臨床推論を意識し,評価する.
©Nankodo Co., Ltd., 2016