胸部大動脈に対するステントグラフト治療up-to-date
Stanford A型大動脈解離術後の慢性解離性大動脈瘤に対する企業製frozen elephant trunkを用いた弓部置換術の手術成績
日尾野 誠
1
,
六鹿 雅登
,
大島 英揮
,
成田 裕司
,
阿部 知伸
,
藤本 和朗
,
徳田 順之
,
碓氷 章彦
1名古屋大学 心臓外科
キーワード:
術後合併症
,
動脈瘤-解離性
,
大動脈瘤-胸部
,
治療成績
,
ステントグラフト内挿術
,
胸部CT
Keyword:
Aneurysm, Dissecting
,
Postoperative Complications
,
Treatment Outcome
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
pp.281-285
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017233269
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Stanford A型大動脈解離術後の慢性解離性大動脈瘤に対してJ Graft Open Stent Graft(JOSG)を使用して弓部置換術を施行した11例(男性6名、女性5名、平均66.2±8.0歳)を対象とした。全例独歩退院した。合併症は軽度感覚障害のみ遺残した不全対麻痺を1例に認めた。ほかの合併症としては創感染2例、間質性肺炎1例を認めた。術後平均2.1±1.9ヵ月時にCTで大動脈を評価し、JOSG末梢端は7例で大動脈弁、4例で肺門部に位置した。全例で術前に認めた弓部のエントリーは、術後には末梢側吻合部を含む胸部には認めず、残存する主要エントリーは全例で、術前のリエントリーである腹部大動脈以下に限局した。腹部分枝閉塞は認めなかった。中期遠隔(平均観察9.2ヵ月、最長14ヵ月)に死亡例は認めなかったが大動脈関連合併症は4例に認めた。下行大動脈の切迫破裂2例、下行大動脈の偽腔拡大1例、下行大動脈の再解離1例で、全3例に再手術を要した。早期、中期とも死亡例は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017