発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017135909
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69歳男。労作時の呼吸困難を主訴とした。胸骨左縁第3肋間でLevine分類III/IV度の拡張期雑音を聴取し、心電図所見で心房細動を認めた。心臓CT所見では二次孔欠損型の心房中隔欠損症(ASD)を認め、経胸壁・経食道心エコー所見では大動脈弁は四尖弁であり、大動脈弁閉鎖不全症(AR)は中等度であった。心臓カテーテル所見では冠状動脈の有意狭窄や起始異常などはみられず、ARはSellers分類III度であり、肺動脈圧は30/13(20)mmHg、肺体血流比は3.93であった。薬物治療により心不全は改善し、ASDを合併した大動脈四尖弁と診断して心停止下に大動脈弁置換術とASD閉鎖術を行ったところ、四尖はほぼ同大で弁尖は肥厚しており、副尖は左冠尖と右冠尖との間に存在していた。術後経過は良好でパッチ閉鎖部のリーク、生体弁圧較差や弁周囲の逆流は認めなかった。
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