心・肺移植後の合併症
肺移植 肺移植におけるサイトメガロウイルス感染に関する術前ステータスおよび移植後予防対策と感染症の発症
青江 基
1
,
田尾 裕之
,
山根 正修
,
豊岡 伸一
,
佐野 由文
,
岡崎 恵
,
伊達 洋至
1香川県立中央病院 外科
キーワード:
Aciclovir
,
サイトメガロウイルス感染症
,
経口投与
,
脳死
,
肺移植
,
Ganciclovir
,
予防的抗菌剤投与
,
リビングドナー
,
術後感染症
,
静脈内投与
,
Valganciclovir
Keyword:
Administration, Oral
,
Acyclovir
,
Brain Death
,
Cytomegalovirus Infections
,
Ganciclovir
,
Lung Transplantation
,
Living Donors
,
Antibiotic Prophylaxis
,
Administration, Intravenous
,
Valganciclovir
pp.988-992
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007346102
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肺移植54例(脳死肺移植9例、生体肺移植45例)を対象として、ドナー・レシピエントのサイトメガロウイルス(CMV)感染術前ステータスと、現状での移植後のCMV感染予防対策およびそれまでの結果を検討した。レシピエントのCMV感染術前ステータスは54例中49例(91%)で陽性、ドナーでは96例中81例(84%)で陽性、ドナー・レシピエントを合わせると150例中130例(87%)で陽性であった。現在のCMV感染予防策として、手術中よりγグロブリンを持続投与し、移植手術後もCMV高力価γグロブリンを3日間静脈内投与した。術後1週目よりganciclovirの予防的投与を開始し、12時間ごと3週間にわたり静脈内投与した。続いて1~3ヵ月目までそのまま内服でganciclovirを1日3回内服、3ヵ月以降になってaciclovirを1日2回内服するようにした。これまで移植後CMV感染症の発症を4例に認め、CMVミスマッチ移植例が2例、レシピエントがもともとCMV抗体陽性であった症例が2例であり、さらにそのうち網膜炎まで発症した1例はドナーもCMV IgM抗体陽性例であった。CMV感染関連死亡例は認めていない。十分に予防的な対応をすればCMVミスマッチ移植であってもCMV感染コントロールは可能と考えられた。
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