臨床経験
胸壁および両肺に転移をきたした小腸原発消化管間質腫瘍
田中 宏和
1
,
山崎 順久
,
渡辺 祐介
,
中出 雅治
1大阪赤十字病院 呼吸器外科
キーワード:
肝臓腫瘍
,
骨腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
肋骨
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
小腸腫瘍
,
胸壁
,
転移巣切除
,
胸部CT
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Liver Neoplasms
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Pneumonectomy
,
Ribs
,
Thoracic Wall
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
,
Metastasectomy
pp.434-437
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017264350
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症例は60歳男性で、小腸GISTを切除され、術後はメシル酸イマチニブを投与された。肝転移に対してラジオ波焼灼療法(RFA)を施行された。その後、肝転移再発に対して肺動脈塞栓療法(TAE)を施行した。胸部CTで左第10肋骨転移を認めた。胸部CTで左第10肋骨を取り囲む腫瘤と右肺上葉に径3mmの小結節を認めた。全身麻酔下に広背筋を温存し、腫瘍を含めて左第10肋骨、上下の左第9、10肋間筋を切除した。病理組織で、GISTの転移と診断した。その後、胸骨右縁第3肋骨上に径3cm大腫瘤と胸部CTで左肺上葉S1+2に径10×6mmの新たな結節を認めた。右肺上葉小結節の大きさは径5mmに微増していたが、新たに出現し、急速に増大した前胸部腫瘤と左肺上葉結節の切除を先行した。前胸部腫瘤と左肺上葉結節の追加切除を実施し、病理組織検査結果はGISTの転移であった。その後、右肺上葉小結節の大きさが径6mmに増大し、3回目の手術で切除したが、GISTの転移であった。
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