臨床経験
超音波気管支鏡下針生検後に生じた縦隔炎に対する開窓術
山崎 順久
1
,
川邉 正和
,
田中 宏和
,
渡辺 裕介
,
中出 雅治
1大阪赤十字病院 呼吸器外科
キーワード:
ドレナージ
,
気管支鏡法
,
縦隔炎
,
肺腫瘍
,
致死的転帰
,
超音波内視鏡検査
,
胸部CT
,
胸部開窓術
,
経気管支針吸引法
Keyword:
Bronchoscopy
,
Drainage
,
Lung Neoplasms
,
Mediastinitis
,
Fatal Outcome
,
Endosonography
pp.384-387
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016298076
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61歳男性。血痰を主訴とした。肺癌の診断のもと放射線化学療法を施行し、部分奏効(PR)となった。その後、組織型検索および遺伝子検査目的に超音波気管支鏡下針生検(EBUS-TBNA)を行ったが、病理組織学的な診断が得られなかった。以後、EBUS-TBNA実施直後より抗生物質の内服を開始したが、縦隔炎を発症したため開窓術を施行した。その結果、膿瘍組織の細菌検査では嫌気性グラム陰性桿菌が検出され、また膿瘍壁の病理組織学的診断は腺癌であった。尚、患者は経過良好であったが、開窓術から約8ヵ月後に癌の進行のため死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016