臨床と研究
Warfarin治療域上限からみた簡易型プロトロンビン時間測定装置の有用性
佐々木 康之輔
1
,
佐藤 清春
,
鈴木 満里奈
,
熊谷 紀一郎
,
安達 理
,
齋木 佳克
1東北大学 心臓血管外科
キーワード:
プロトロンビン時間
,
Warfarin
,
冠動脈疾患
,
心臓弁膜症
,
心房細動
,
経口投与
,
冠状動脈バイパス術
,
人工弁置換術
,
大動脈弁輪拡張症
Keyword:
Administration, Oral
,
Coronary Artery Bypass
,
Atrial Fibrillation
,
Coronary Disease
,
Heart Valve Diseases
,
Prothrombin Time
,
Warfarin
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.341-345
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016298069
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Warfarin服用患者56例を対象に、PT-INRの治療域上限である3.0を基準とし、治療域上限内外別に簡易型プロトロンビン時間測定装置CoaguChek XSの有用性について検討した。その結果、1)CoaguChek XSは従来型測定法と強い正の相関を示し、先行研究で報告されている相関係数0.77~0.99と同等であった。しかし、2つの測定方法間のPT-INRの差は3.0以下の群と比較して3.0を超える群で大きくなり、更にPT-INRが高値になるほどその差は拡大していた。2)CoaguChek XSで測定したPT-INRが高値であるほど、より過小評価される可能性があることが示唆された。3)CoaguChek XSによる測定でPT-INRが高値を示した際には過小評価を懸念し、出血関連合併症を回避するため、従来型測定法による再評価が望ましいと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016