発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008208422
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68歳男。3ヵ月前より背部痛が出現し、胸壁浸潤肺癌を疑い治療目的入院となった。右傍脊椎部に4cm大の膨隆する有痛性腫瘤を触知し、X線にて右肺門下部に浸潤影を認めた。CTより右S6とS10境界部に一部空洞と壊死巣を伴う径5cm大の球形腫瘍を認め、第9、10肋骨の骨破壊像を認めた。葉間リンパ節も2.5cm大に腫大していた。生検により非小細胞肺癌(T4N1M0、stageIIIB)として化学放射線療法1コース開始後40日目に手術を行った。右中下葉切除の肺門操作と縦隔リンパ節郭清(ND2a)操作は胸腔鏡手術で行い、下位胸壁合併操作は第8肋間後側方開胸にて胸壁と右中下葉を一塊にして摘出した。病理所見より右下葉原発の低分化非小細胞肺癌で、椎体切離面に変性した癌の浸潤を認めた。また、中下葉気管支間リンパ節1個に転移を認め、T4N1M0、stageIIIBと診断した。経過良好で胸腔ドレーン抜去して術後10日で退院し、1ヵ月後から化学放射線療法を施行、術後6ヵ月現在再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008