発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087076
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症例は42歳女性で、41歳時に左前下行枝の心筋梗塞で経皮的冠状動脈形成術が行われていた。深夜に起座呼吸が出現し救急来院した。起座呼吸はNew York Heart Association分類IV度であった。血液検査で異常はなかったが、BNP値の高値を認めた。心エコーで前尖tetheringによる重症機能的僧帽弁逆流(FMR)を認めて手術となった。僧帽弁展開で弁輪拡大と弁尖tetheringがFMRの原因と判明し、僧帽弁輪形成術に乳頭筋吊り上げ術を追加した。大動脈遮断時間は59分、手術時間は3時間50分であった。術後経過は良好で、28日目に退院した。術後の心エコーでは残存逆流はなく、tethered forceの軽減を認め、平均圧較差は安静時/運動負荷時で3.0/5.8mmHgと機能性僧帽弁狭窄は認めなかった。Two-dimentional speckle tracking imagingを用いて測定した左室torsionの著明な改善を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015