発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175457
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61歳女。右下葉肺癌に対し鏡視下右肺下葉切除術を施行したが、7病日に術側気胸を発症し、胸腔ドレナージと胸膜癒着術で改善した。その後も2回気胸が再発して同治療を行ったが、胸部CTで葉間形成面に細気管支瘻と貼付したTachoCombの剥落所見を認め、三度目の胸膜癒着術となった。しかし右胸腔内に全ての薬剤を投与した直後に意識消失を来たし、胸部X線で右遺残腔の拡大が認められた。ドレナージ不良と判断し、14Frダブルルーメントロッカーを右胸腔内に挿入して持続吸引を開始した。バイタルは安定したが意識の改善がなく、頭部CTで右中心溝付近および両側内頸動脈に空気塞栓が認められた。発症日と翌日の2回、高圧酸素療法を施行し、右前頭葉・両側内頸静脈の気泡は消失したが、右中心溝付近に低吸収域が新たに出現した。意識も改善したが、発語困難、左Babinski反射陽性と神経症状は残存した。その後改善が得られ、リハビリテーション訓練中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012