胸部外科の指針
3分岐型人工血管による分枝再建を先行させた弓部全置換術の手術成績
西森 秀明
1
,
山本 正樹
,
福冨 敬
,
半田 武巳
,
近藤 庸夫
,
田代 未和
,
渡橋 和政
,
割石 精一郎
,
笹栗 志朗
,
椎谷 紀彦
,
齋木 佳克
1高知大学 外科2
キーワード:
壊死
,
術後合併症
,
せん妄
,
腸疾患
,
入院期間
,
脳梗塞
,
院内死亡率
,
大動脈瘤-胸部
,
治療成績
,
けいれん性発作
,
大動脈置換術
Keyword:
Delirium
,
Length of Stay
,
Intestinal Diseases
,
Necrosis
,
Postoperative Complications
,
Seizures
,
Treatment Outcome
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Hospital Mortality
,
Brain Infarction
pp.163-170
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015199757
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大動脈原性脳梗塞を避ける目的で自作の3分岐型人工血管による分枝再建を先行して弓部全置換術を行った44例の手術成績について検討した。その結果、術後に脳梗塞は2例(4.5%)で合併し、1例は手術翌日から痙攣が出現したものの初期のCTでは脳梗塞を指摘できず、7日目のMRIにて左右小脳の脳梗塞を指摘されたが後遺症を残さず退院できた。他の1例は術翌日に痙攣が出現し、CTにて右前頭葉、頭頂葉、左右小脳に脳梗塞が確認され、リハビリテーションにて会話や食事、歩行が可能な状態となり転院となった。在院死亡は2例(4.5%)であり、いずれも合併した下行大動脈瘤が死亡に関与した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015