発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015140395
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65歳男。胸部圧迫感を主訴に受診した。胸部造影CTで前縦隔に71×52mm大の腫瘤を認め、辺縁に造影効果を認めた。血液検査ではWBCやCRPが軽度高値を示した。CTガイド下生検を行ったが、壊死組織が大部分で確定診断には至らず、手術を行うこととした。この間、初回CT施行時から3週後の生検時にかけて腫瘤は縮小傾向を示し、さらに4週後の術直前CTでは33×21mmと著明に縮小しており、術直前の血液検査ではWBCやCRPが正常化していた。手術は胸腔鏡下に行った。腫瘤は胸腺右葉にあり、右側縦隔胸膜は炎症のため肥厚していた。腫瘤と胸腺右葉を切除し、病理組織所見からB3型胸腺腫(正岡分類II期)と診断した。B3型胸腺腫は局所再発率が高いため、術後6日目に追加手術(残存胸腺左葉切除と周囲リンパ節郭清術)を行い、術後3年の現在まで再発・転移は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015