発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015122726
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49歳女性。坂道で息切れを自覚することが時々あったが日常生活に支障なく放置していた。今回、のどの痞え感を自覚し近医を受診、上部消化管内視鏡にて食道外から食道内腔を圧排する腫瘤がみられ、心エコーでは心房中隔に付着し左房を占拠する60×45mm大の腫瘤が認められた。以上より、本症例は左房内の巨大粘液腫の診断にて手術目的で紹介となった。入院時、胸部CTでは左房内をほぼ占拠する7.6cm大の腫瘤が認められ、この腫瘤と胸椎により食道が圧排されることが嚥下障害の原因となり得ると考えられた。そこで、入院10日後に手術施行となった。術中所見では腫瘍の大きさは75×68×43mmで、表面平滑であり心房中隔付着部は35×34mmであった。切除標本の病理所見は粘液腫様基質を背景に紡錘形・多形の細胞形態を呈する腫瘍細胞が散在性に認められ、粘液腫と診断された。尚、術後、嚥下障害は消失して、術後第12病日目に退院となった。
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