臨床経験
原発性心臓腫瘍における大型左房内腫瘍摘出のためのアプローチ
秋島 信二
1
,
梅津 泰洋
1茨城東病院 心臓血管外科
キーワード:
心臓腫瘍
,
心房
,
粘液腫
,
嵌頓
,
偶発的発見
,
組織球腫-悪性線維性
,
胸部CT
Keyword:
Heart Atria
,
Heart Neoplasms
,
Myxoma
,
Incidental Findings
,
Histiocytoma, Malignant Fibrous
pp.1075-1078
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042050
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原発性心臓腫瘍に対する治療は完全摘除が原則となる。今回、最大径40mmを超える大型左房内腫瘍の摘出術を行った3例(72歳男、59歳男、41歳男)を提示し、左房内腫瘍へのアプローチ方法について述べた。3例ともアプローチ法として右側左房切開から展開することにより摘出手技を完遂しえた。原発性心臓腫瘍のなかで、サイズが比較的小さく、茎を心房中隔におく腫瘍では、心房中隔切開のみで茎を残すことなく切除できる可能性がある。一方、茎が広範に及んでいたり腫瘍自体が大きい場合には視野が制限され、全摘除は難しいことが多い。著者等はこのような症例の手術において、腫瘍に切り込んだり、左房を開放できずに心房中隔壁内を下大静脈方向に大きく剥離を進めてしまったことを経験してきた。このような経験を踏まえて著者等は、径の確実な切除を主眼としたアプローチ方法として右側左房切開を推奨する。
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