臨床経験
胎内での一過性虚血による中枢神経障害に関する検討 産科医療補償制度原因分析症例ならびにMFICU連絡協議会参加施設症例での検討から
福嶋 恒太郎
1
1福嶋クリニック
キーワード:
Apgarスコア
,
胎児心拍陣痛図
,
質問紙法
,
新生児疾患
,
胎児疾患
,
脳性麻痺
,
羊水過多症
,
時間因子
,
低酸素性虚血性脳症
Keyword:
Apgar Score
,
Cerebral Palsy
,
Fetal Diseases
,
Polyhydramnios
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Surveys and Questionnaires
,
Cardiotocography
,
Time Factors
,
Hypoxia-Ischemia, Brain
pp.113-120
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017131348
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胎内発症の一過性虚血による中枢神経障害に関する検討を行った。その結果、酸血症のない脳性麻痺(CP)症例の39%が胎内の一過性虚血によるもので、同病態の一部は発症からの時間経過にそって一定の表現形を示すことが推察された。胎内での一過性虚血による中枢神経障害は現状発症の予測が難しく、胎内での正確な診断や予防的介入による発症回避は困難と思われた。胎動減少、CTGの基線細変動異常や羊水過多がみられた症例では、分娩時に仮死や酸血症を認めない場合でも慎重に神経学的予後をフォローする必要があると考えられた。
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