発行日 2014年5月20日
Published Date 2014/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2014242866
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高知県では2007年度から5年間にわたり、県下の実務経験5年以上の看護師を対象に「がんにおける質の高い看護師育成事業」(研修)を実施し67名が修了しており、今回、その成果と課題を明らかにすることを目的に修了生とその所属管理者を対象にアンケート調査を行い、修了生29名、管理者20名より回答を得た。研修では、40日間の研修期間の前半20日間を講義、後半20日間を癌診療連携拠点病院での実習に充て、緩和ケア病棟3日間、訪問看護ステーション2日間の実習も行った。アンケート調査の結果、修了生と管理者の多くが、研修目的に沿った臨床実践能力の向上や看護観の広がり、質の高い看護ケアを展開するための意識の高まりを評価していた。一方、6つの研修目的のうち、療養場所の移行支援のための他職種との協働、および倫理的問題への対処については、<他職種との協働の重要性が理解できた><倫理的感受性が高まった>など、「必要性を理解する」までの到達はできていたものの、<他職種や他施設との協働までには至っていない><倫理的問題に気づくことができてもチームで対処するには至っていない>など、実践活動にまでは至っていないことが分かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014