発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003308840
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医学生がどのくらい患者の気持ちに共感できるかを検討した.4年生以上の医学生244名と1年生の非医学生315名を対象とし,自身が急性腹症および胃癌の患者になったと想定したアンケートを行った.4年生は臨床講義開始前であり,5年生は臨床実習3ヵ月を経験し,6年生は臨床実習をほぼ終了していた.非医学生は「急性腹症の患者」では治療よりも病態解明を重視した.医学生は「急性腹症の患者」では症状を緩和させる治療を希望し,「胃癌の患者」では手術以外の治療法や未治療時の経過を知りたいと希望しており,いずれの疾患においても学年が進むに従いその傾向は強かった.学部,学年に関わらず,病名,病期の程度,病期の見通しを知りたいと考えており,癌告知には積極的な姿勢を示した.患者になった時の気持ちや態度について医学生の特徴が明らかになり,臨床講義や臨床実習の医学生への影響が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2003