発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は76歳女性で、突然背部痛が出現し、心エコーで心嚢水の貯留と大動脈閉鎖不全症を認めた。CTでは上行大動脈から腹部大動脈までの解離があり、両肺広範に嚢胞性変化を認めた。心タンポナーデによりショックとなった血栓閉塞型のStanford A型急性大動脈解離と診断し、緊急開胸術を施行した。解離のエントリーは近位弓部小彎側に認め、これを切除して上行部分弓部置換術を施行した。術直後より酸素化が不良で、人工呼吸器の呼気終末陽圧を10mmHgに設定した。術翌日の胸部X線で右気胸を認めて胸腔ドレーンを挿入し、第4病日に人工呼吸器から離脱して非侵襲的陽圧呼吸を開始したが、再び右気胸が増悪し、難治性となった。第18病日にエアリークは消失し、リハビリテーションを経て独歩退院した。経過や気胸の家族歴よりBirt-Hogg-Dube症候群を疑い、遺伝子解析でフォリクリン遺伝子の異常が指摘され、確定診断された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014