発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000779
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65歳男。約5年前に前医でStanford A型急性大動脈解離に対し上行置換術を受け、4年後の外来受診時に巨大な弓部大動脈瘤を指摘され当科紹介となった。5年前のCTでは偽腔開存型、弓部大動脈は最大径35mmで、今回CTでは胸骨後面に接する最大径8cmの弓部大動脈瘤を認め、下行大動脈の偽腔は血栓化し菲薄化していた。再手術を行うこととし、低体温循環停止法と左頸部総頸動脈脳分離法を補助循環として用いた。体外循環時間は334分、心停止時間は264分、右脳分離時間は184分、左脳分離時間は163分、循環停止時間は計61分、手術時間は11時間31分であった。術後経過は良好で、術後4日に人工呼吸器を離脱し、翌日にICUを退室した。反回神経麻痺による軽度の嚥下障害を認めたが、合併症は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014