発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000780
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
71歳女。左側腹部の疝痛発作を主訴とした。造影CTで右腎から下大動脈(IVC)の右房入口部まで腫瘍性病変を認めた。腎腫瘍の周囲への浸潤は認めなかった。腫瘍塞栓は右腎静脈~IVCの右房入口に存在し、右腎静脈付近のIVCで静脈壁浸潤が疑われた。腹膜播種やリンパ節腫大、遠隔転移は認めなかった。IVC内に腫瘍栓を有した右腎癌cT3N0M0、臨床病期III期と診断し、右小開胸による人工心肺下に腫瘍摘出術を施行した。腫瘍浸潤部のIVCとともに腫瘍栓を全摘し、摘出標本では最大径9cmの黄褐色の腫瘍を認め、IVC内の腫瘍塞栓は1.0×13.0cmであった。術後経過は良好で、術翌日に一般病棟へ転棟し、術後13日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014